「不妊」に立ち向かうこと、それは夫婦の絆を深めるチャンスです

男性編

●「不妊」に立ち向かうこと、それは夫婦の絆を深めるチャンスです

「結婚して数年経ち、夫婦の営みも行っているのに、なかなか赤ちゃんに恵まれない。なぜだろう?」
そのような「不妊」状態にある場合、かつて原因は女性側にあると考えられるのが一般的でした。
もちろん、これは大きな誤解です。
いろいろ勉強されている方はご存知だと思いますが、「不妊」の原因は何も女性だけに限られたものではありません。

赤ちゃんをお腹に宿し、産むことを担うのが女性の体であるため、そのような誤解が広がってしまったのでしょう。
「女と違って、男は何歳になっても子どもをつくれる」という思い込みが、男性の中にあるのも一因かもしれません。
そんな環境があるから、当の女性もなかなか赤ちゃんができないと、「もしかして自分に原因があるのかも……」と不安になって、病院で検査を受けるのでしょう。


しかし、WHO(世界保健機構)の調査によると、不妊要因の割合は、

WHO(世界保健機構)の調査による不妊要因の割合

となっており、カップルのおよそ半分近くは、男性側にも要因があるというデータが得られています。
このような現状を知っていれば、不妊に悩んでいるなら、最初からご夫婦そろって「原因は自分にあるかもしれない」と疑い、一緒に検査を受けるのがベストだとご理解いただけるでしょう。
原因が早めにわかれば、不妊解消に遠回りしなくても済むのです。

当たり前ですが、「赤ちゃんをつくる」という行為は、男性と女性がいなければできません。
それと同じように、「赤ちゃんができない」という悩みにも、ご夫婦二人で向き合い、乗り越えていくべきものなのです。

検査をした結果、どちらかに原因が見つかったとしましょう。
そのとき、「どちらに原因がある」ということばかりを気にするのでは、夫婦仲に溝を刻み、赤ちゃんを授かるどころの話ではなくなります。
原因がどちらにあろうと、「これは二人の問題」として取り組んでいくことで、夫婦の絆を深めることが、不妊を解消していく第一歩になるのだと考えてください。

とかく、「不妊」の原因が主に男性側にある場合、それが人には知られたくない「性のコンプレックス」や「男のプライド」と関わってくるため、なかなかスムーズに改善への努力がなされない場合もあるようです。
社会の中で、女性の不妊ほど男性不妊への認知が低いことも、「どう努力し、改善していけば良いかわからない」という戸惑いを生んでいる可能性もあるでしょう。

今回、この本を執筆しようと考えた背景には、そうした男性不妊への「誤解」や「理解不足」を解消したいという思いも強くありました。
男性不妊には、


●精子自体に問題があるケース
●精子の通路に問題があるケース
●性交渉がうまくいかないケース


の大きく分けて3つのパターンがあります。

赤ちゃんを授かるには、医学的な治療が必要なケースもありますが、食事や生活習慣を通じての体質改善、運動やメンタルのトレーニングを同時に行なうことで、治療の効果を高めることが期待できます。
是非、あきらめず積極的に取り組んでみてください。

また、先ほど挙げたWHOの不妊要因の調査では、残りの11%は「原因不明」、つまり男女ともに、これといった不妊要因がないのに、赤ちゃんができないというカップルもいます。
そうした西洋医学だけでは手の届かない「不妊要因」を持つカップルの場合も、本書でご紹介するノウハウはお役に立てることでしょう。

繰り返しになりますが、妊娠・出産は「女性だけの仕事」ではありません。
その半分の責務は男性が担っているのです。
そして、たとえ「男性不妊」であったとしても、それは卑下すべきことではありません。
まずは、そうした間違った「思い込み」を捨てるところから、本書を読み進めていただくことをお勧めします。

縁あって、ご夫婦になった二人です。
まだ子どもがいなくても、相手は大切な「家族」。
「不妊」を考えることをきっかけに、二人の絆を深めるチャンスをもらったと考えてみてはいかがでしょうか。


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先生の豆知識コラム

川上智史

北里大学院医療系研究科医学
専攻博士過程修了医学博士

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