今一度、妊娠のしくみをおさらいしてみましょう。射精された2億~3億の精子は、たった一つの卵子を求めて子宮頚管~子宮~卵管へと進みます。
卵管にたどりつく頃には、精子の数は数十~数百まで減っており、その中のたった一つだけが、卵管で待ち受ける卵子と結合すると、受精卵となります。
なんと長く、熾烈な競争をかいくぐって成立する現象だと思いませんか?
さらに、受精卵は細胞分裂を繰り返しつつ、子宮内へ移動します。
受精から約1週間~10日ほどかけて子宮内膜にようやく「着床」すると妊娠の成立となるのです。
せっかく受精しても、無事に「着床」しなければ、妊娠の成立とはなりません。
実際、次に来た生理が、それと気づかない「流産」だったというケースも多いのです。
このごく初期の流産を「化学的流産」と言います。
妊娠しかけていたため、子宮内膜が厚くなっており、いつもの生理より出血量が多い、下腹部痛
が長引くなどの特徴が見られ、時期によっては妊娠検査薬にうっすら反応することもあるようです。
「流産」と聞くとつい自分を責めがちですが、このような流産は、とくに母体に問題があったわけではないので、あまり神経質にならないことです。
なお、この化学的流産の場合は、子宮内には何も残らず出血として排出されるので、次の妊娠の障害にはなりません。
このような流産のお話をすると、大切な着床時期だからと家で必要以上に安静を心がけたり、逆にやきもきしてしまう人もいるかもしれませんが、正
直、この時期はどんな過ごし方をしても「着床」にそれほど影響はありません。
また、受精着床を含め、3週間ほどの時期は、薬、飲酒、X線、夫婦生活なども影響は少ないので、まだ妊娠確認できないこの時期は、普段どおりの生活をして問題ないでしょう。
もちろん、普段どおりとは、これまでご紹介してきた、「冷やさない」「栄養バランスの良い食事」を心がけた、心身にストレスを溜め込まない生活で
す。
「赤ちゃんができやすい体づくり」がしっかりできていて、医学的な特別な疾患さえなければ、きちんと受精卵はあなたの子宮内膜に根を張ってくれ
るはずです。
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