ここまで、さまざまな角度から、「赤ちゃんを授かりやすい体」になるための体質改善法をご紹介してきました。しかし、あなただけがどんなに努力しても、最後にはパートナーの力を得なければ、赤ちゃんを身ごもることはできません。
赤ちゃんのための準備を万全に整えた体で、愛するパートナーと抱き合うことで、新しい命が誕生するのです。
そこで、この章では、ズバリ妊娠の確率を高める「セックス」の方法について、詳しく解説していきましょう。
まず、セックスを行なう時期はとても重要です。赤ちゃんが欲しいと思ったとき、「排卵」のタイミングに合わせてセックスを行なうと妊娠の確率が高まるというのは、大抵の女性がご存知でしょう。
これは「タイミング法」と呼ばれ、不妊治療の初期段階でも行なわれるものです。
排卵時期を予測し、セックスのタイミングを調整することは自分たちで行なうことも可能なので、「早く赤ちゃんが欲しい!」と望むカップルは、すでに積極的にこれを実践しているかもしれません。
ただ、最初に断っておきますが、この「自己流タイミング法」は、成果の上がりやすい人と上がりにくい人がいます。
基本的に、自己流タイミング法が向くのは、「月経が規則的な女性」の場合。
基礎体温をつけて、低温期と高温期がしっかり分かれるグラフになる女性なら、「排卵時期」の予測が立てやすく、セックスのタイミングもはかりやすいでしょう。
月経不順の女性、基礎体温のグラフから何らかの排卵障害が見て取れる女性の場合は、まずそちらの改善を優先し、それからタイミング法の実践をするようにしてください。
さて、「排卵」と「セックス」の関係についてですが、不妊に悩むカップルに聞いてみると、意外と正しく理解されていないことに驚かされます。
多くの人は「排卵日」を狙ってセックスをすると妊娠しやすいと思っているようですが、残念ながら「基礎体温」だけでは「排卵日」を特定することは不可能ですし、「排卵日」だけを狙ってセックスをしても、妊娠の確率は高まりません。
では、いつセックスをするのがベストタイミングなのか?正解は……、
なのです。
これは、卵子と精子の「寿命の差」から計算して導き出した数字です。
卵子は、排卵後半日~24時間、精子は射精後女性の体内で平均4~5日は生きると言われています。
しかも、射精された精子はすぐに卵子に向かっていかず、いったん子宮頚管粘液の中に蓄えられて、持続的に卵管に送り出されます。
この時間差を考えると、「排卵日」よりも、「排卵日前」にセックスを行うほうが妊娠確率の高まることがわかるでしょう。
ですから、「排卵日当日」にこだわらず、排卵前5日間くらいの間を狙って、性交回数を増やすようにしてみると、受精の確率が高まるはずです。
男性はナイーブですから、「月1回この日」と言われるとプレッシャーがかかるもの。
この知識を頭に入れておけば、女性のあなたもチャンスは「月1回」と焦らずに、ゆったりした気持ちでセックスに臨めるでしょう。
ちなみに、「妊娠確率を高めるために、性交前は禁欲するといい」という俗説があるようですが、これはまったくの誤解です。
正常な精子であれば、毎日射精しても、精液の質、精子の数、運動率に変化がないことは、医学的なデータで証明されているので、気にせずセックスの回数を増やしてください。
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