この章では、「妊娠体質」になるために積極的に摂りたい栄養素についてお話ししてきました。
しかし、冒頭でも述べたように、これらの栄養のお話は妊娠したら終了ではありません。
赤ちゃんをお腹に宿し、出産まで大事に育てあげ、出産後も健康な母体で育児に臨んでいくためにも、存分に活用していただきたい「知恵」なのです。
今、あなたが食生活を改善していくことで、トラブルのない妊娠生活を送り、健康で丈夫な赤ちゃんを出産し、スムーズに母乳育児に入っていける道筋をつけることができます。
「妊娠」だけを目的にせず、そのような未来のことまで考えて、日々の食べ物を口にしていくことが、食事や家族を大切にすることにつながると考えてください。
そのような意味で、前項の5つに加えて、妊娠中~出産後まで大切になってくる栄養素が「カルシウム」です。ご存知のように、カルシウムは骨や歯の材料になるもので、お腹の赤ちゃんの発育にも欠かせません。
妊娠中は通常よりも摂取量を増やすべき栄養素でもあります。
ちなみに、成人女性に必要な1日のカルシウムは最低600㎎と言われています。
これが妊娠中は900㎎、授乳中には1100㎎と大きく増えるのです。
というのも、出産後は、授乳を通じて、赤ちゃんはお母さんの体から毎日210㎎のカルシウムを受け取ると言われています。
自分の体を維持するばかりでなく、赤ちゃんの分までしっかり蓄えておかないと、お母さんはたちまちカルシウム不足になってしまうでしょう。
カルシウムを多く含む食品は、プロセスチーズ、パルメザンチーズ、ヨーグルト、牛乳などの乳製品、干しエビ、しらす干しなどの小魚、いわしやさばの缶詰、ひじき、ゴマなどです。
だいこんやかぶの葉などにも多く含まれるので、ごま油などで炒って、ふりかけ代わりに食べてもいいでしょう。
忘れてはいけないのは、カルシウムを摂るときにはマグネシウムも同時に摂ること。
カルシウムの吸収にはマグネシウムが欠かせないからです。
マグネシウムは、納豆、油揚げなどの大豆製品、魚介類などに多く含まれるので、メニューを考える際に意識してみてください。
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