あなたがこれからママとして赤ちゃんをお腹に宿すためには、「母体」となる体の状態を良くしなければなりません。「母体」となるにふさわしい体の条件として、2章では「冷えの解消」についてご紹介しました。
「冷えの解消」に関して、食べ物の力を借りられることがおわかりいただけたと思いますが、この章ではさらに一歩進んで、「妊娠にふさわしい体」をつくる食べ方について、ご紹介していきたいと思います。
「赤ちゃんが欲しいと思ったら、食べ方を見直してみてください」という栄養カウンセラーもいるほど、妊娠と食べ方には深い関わりがあります。普段はあまり栄養など意識せず、好きなもの、食べたいものを食べているという人が多いかもしれません。体重を気にして、食事の回数を減らしたり、野菜ばかり食べているという人もいるでしょう。あるいは、仕事が忙しく、外食やスーパーのお惣菜、コンビニ弁当頼りという人もいるのではないでしょうか。
さまざまな事情で、「食」がおざなりになっている人が多い現代ですが、赤ちゃんを望むなら、もう少し栄養に敏感になる必要があると言えます。なぜなら、あなた一人が生活していくための栄養と、お腹の中で赤ちゃんを育むための栄養はまったく違うからです。
晩婚、高齢出産が増えている現代、特に栄養の力は重要になってきています。女性はどうしても年齢を重ねると、月に1回という排卵回数も決まっているため妊娠しにくくなるのは避けられません。しかし、食べ物の力を借りれば、生殖機能の老化を遅らせ、妊娠しやすい体を維持することができるのです。
若いからといっても、安心はできません。現代は、無意識のうちに食品添加物をはじめとする有害な化学物質を口に入れてしまう環境にあります。そうした有害化学物質が体内で活性酸素を作り、体の細胞を傷つけ、実際の年齢以上に体を老化させている可能性は十分あるのです。
すべてを「健康的に」というのは難しいかもしれませんが、「これだけは避けたい」というものを知り、たとえ有害物質を取り込んでも食べ物の力を借りて体外に排出する仕組みを知っておけば、害は最小限に抑えられます。
1回の食事、1日の食事で完璧な栄養バランスを目指さなくても、3日単位で栄養バランスを整えていくようにすれば、無理なく「妊娠しやすい体」に変えていくことができるでしょう。急に食生活を変えようとすると、それがストレスとなって、よけい妊娠しにくい体となってしまうこともあり得ます。無理なく、良い方向に変えていくようにしましょう。
今、食べ方を見直すことは、これからお腹に宿す赤ちゃんの健康にもつながります。妊娠中は、あなたの摂取した栄養がへその緒を通じて胎児に送り届けられますが、これはあなたの食べ方が、赤ちゃんの体をつくる基になっているということ。責任重大ですね。
よく「妊娠したら赤ちゃんの分まで食べなさい」などと言われますが、これは何も「量」のことを言っているのではありません。むしろ、量を多く摂ってしまうと、妊娠中毒症が引き起こされてしまうことが分かっています。
この言葉の真意は、赤ちゃんがお腹の中で育つために必要な「栄養」をしっかり摂りなさいということです。赤ちゃんに必要な栄養とは、すなわち妊娠を健やかに継続するための栄養であり、「妊娠しやすい体」になる栄養とも共通するのです。
さらに、出産後はあなたの食べた栄養が母乳を通じて赤ちゃんの口に入っていきます。出産という大仕事で疲れた体を回復させ、昼夜となく育児もしなくてはならないこの時期は、妊娠中以上に質の良い栄養を摂る必要があります。
「妊娠する体づくり」とは、赤ちゃんを宿して終わりではありません。その先に続く子供と一緒の未来にまでつながっていく大切な知恵なのです。自分のためだけと思うと、時にはさぼってしまいたくなることでも、赤ちゃんのためと思えば頑張れませんか?
では、早速、どこをどう見直していけば良いか、詳しくお話していきましょう。
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