心身ともに「男性らしさ」をみなぎらせる野菜の力

男性編

男性機能アップのための食生活

●心身ともに「男性らしさ」をみなぎらせる野菜の力

東洋医学における「漢方」の考え方には、「相似の理論」というのがあり、地球と人体は相似していると捉えます。

地球の場合、地面を境にして、そこから上が地上、そこから下が地下となりますね。
これを人間の体に当てはめると、臍から上が「地上」、臍から 「下」が地下となるわけです。
相似しているのだから、そこに該当する食べ物を取り入れることで、人体のエネルギーが高まるというのが、冒頭の漢方における「相似の理論」になります。

この理論に当てはめると、人間の下半身に相似する食物は、地下にできるもの、「根菜類」となります。
俗な言葉ですが、「ニンジン2時間、ゴボウ5時間、ヤマイモたちまち」というのがありますが、口にしてからそれだけの時間で男性の活力がみなぎる食材として、根菜類は重宝されてきたのです。

また、同じ東洋医学で、根菜類は体を温める食材にも分類されています。
勃起力が弱かったり、造精機能が低下している男性は、下半身の血行不良に よる冷えを抱えている可能性があることは3章でもご説明しました。
その意味でも、こうした野菜を摂って、男性機能アップにつなげていくのは悪くあ りません。

肉体ばかりでなく、頭脳労働で神経の疲れが溜まっているという男性には、レタスがお勧めです。
レタスの茎に含まれる白い乳汁には、精神安定作 用があり、レタスは昔から「頭の疲れを癒す野菜」と言われてきました。
ただし、レタスには「制淫作用」もあり、ヨーロッパでは浮気封じの特効薬として愛用されてきたというエピソードもあります。
多量の摂取は、セックスレスにつながる可能性もありますから、ほどほどにしたほうが良いかもしれません。

一方で、強壮・強精作用のある野菜としては、ニンニクが有名ですが、その他ネギ類・ニラがお勧めです。
これらは、食べると体内の発熱作用が高ま り、根菜類同様、血行が促進されます。
加えて、強い香りの元になっている「硫化アリル」という成分が、疲労回復に効果を発揮するビタミンB1の吸収力を高めるので、性欲減退や持続力低下を自覚されているなら、是非、積極的に摂るようにしましょう。

もう一つ、お勧めなのがセロリです。
苦手という方も多いかもしれませんが、広い薬効を持つと同時に、催淫作用の強い野菜として、ヨーロッパでは 重宝されてきたという歴史があります。
生のままで抵抗があるという方は、事項でご紹介するジュースに混ぜてみるなどして摂取してみると、その効果を実感できるかもしれません。是非、お試しください。


先生の豆知識コラム

川上智史

北里大学院医療系研究科医学
専攻博士過程修了医学博士

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