最近は「弁当男子」という自炊に熱心な男性も増えましたが、たいていの場合、男性の食生活は独身なら外食やコンビ二頼み、結婚すれば奥さん任せ
というのが実情でしょう。
しかし、男性不妊の改善を望むなら、もっとご自身でも食事に気を配る必要があります。
当たり前のことですが、あなたの口から入った食べ物からの栄養が、あなたの体をつくっているのです。
食べる物を変えることで、あなたの体は確実に変わっていきます。
男性不妊の改善ばかりでなく、これからお子さんを持って、家族を大切にしていきたいと思うなら、健康に長生きする「食生活」を習慣づけることは、決して無駄ではないはず。
あなたが元気で長生きする努力をすることは、パートナーにとっての最大の愛情表現にもなるのです。
さて、男女ともに、妊娠に不可欠な栄養素として一番手に挙げられるのは「亜鉛」です。
亜鉛は鉄やカルシウムなどと同じ体に必要な16種類のミネラルの中の一つ。
別名「セックス・ミネラル」とも呼ばれており、男性にとっては、生殖器の機能を上げて、精子をつくる能力を高め、精子の運動率の向上させる成分。
女性にとっては、卵子の着床率を上昇し、着床後の細胞分裂を活発にさせますので、お子さんを望むなら、ご夫婦で積極的に摂取したい栄養素の一つです。
ところが、現代人の食の環境は、どうしても亜鉛が不足する傾向があります。
便利で重宝するコンビ二弁当や加工食品を食べる機会が増えたことがその大きな原因です。
これらの中には、体内から亜鉛を排出したり吸収を阻害する食品添加物を含むものがあります。
加えて、亜鉛を多く含む未精製のでんぷん質(玄米や全粒粉)や新鮮な野菜・海藻類を食べることが少なくなった影響も大きいでしょう。
普通の食事をしているだけでは、どうしても亜鉛は不足しがちになるのです。
また、アルコールをよく飲む人、強いストレス受けている人、激しいスポーツをして多量の汗をかく人も、亜鉛の必要量が増加するため、結果として亜鉛不足に陥る傾向があるので、注意が必要です。
亜鉛が不足すると、体内ではどういうことが起こるか知っておくと、その大切さがさらによくわかるでしょう。
通常体内にはおよそ2gの亜鉛が蓄え
られており、約半分は血液中に、残りはさまざまな臓器の細胞の中に存在しています。
仮に、臓器の亜鉛が不足したとしましょう。すると、血液中の亜鉛で補われますが、そうなると、亜鉛の絶対量が低下するために、結果として脳に運ばれる亜鉛が不足してしまい、これが深刻な事態を招くのです。
亜鉛は私たちの体の中で約300種類の新陳代謝に関係しています。
新陳代謝は、脳からの指令で分泌されたホルモンが担っており、亜鉛不足によってホルモンの分泌が鈍ることで、一気に細胞の老化が進んでしまうのです。
こうなっては、外見はもとより記憶力も低下、生殖機能の衰えや精子の質の低下を招くことも避けられません。
赤ちゃんを授かる可能性はますます低くなってしまうことも否定できません。
是非、今日から、亜鉛を意識した食生活を心がけていきましょう。
「亜鉛」を多く含む食品の代表は、牡蠣に代表される貝類やうなぎ、エビ、スルメ、いいだこ、牛・豚もも肉、レバー、納豆などです。玄米や胚芽米、全粒粉のパンなどにも多く含まれますので、主食をこうしたものに変えてみるのもお勧めです。
その他、活用したいのがショウガ。
亜鉛含有量が多いとされる牡蠣の場合、100g中にその含有量は0.07gですが、同量のショウガには0.1gの亜
鉛が含まれています。
ショウガをすりおろして、紅茶や味噌汁に加えて飲んだり、炒め物のアクセントにショウガを加えたりなど、工夫して摂取するようにしてみると良いでしょう。
手軽さが人気のサプリメントの力を借りる手もありますが、体の中でどのように分解・吸収されるか明確でないため過剰症の心配もあります。
なるべくなら、サプリメントよりも食事から摂るよう心がけてください。
ちなみに、成人の場合、1日あたりの推奨摂取量は15㎎とされています(それ以
上だと過剰症を引き起こす可能性もあります)。
1回の食事、1日の食事で完璧な栄養バランスを目指すのは、難しいかもしれません。
体にいいからと、栄養のことばかり考えて食事を楽しめず、そ
れがかえってストレスになるようでは本末転倒。
今日は飲み会で羽目を外したけれど、明日は栄養バランスを整えるぞというように無理なく実践し、3日単位、1週間単位で食生活を整えていくようにすれば、無理なく「妊娠しやすい体」に変えていくことができるでしょう。
これまで無頓着だったことに意識を持ち、実践を続けていくことが、ゆっくりでも体を変化させていくことにつながるはずです。
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