妊娠にまつわる話の中で必ず登場するのが「基礎体温」です。
しかし、「基礎体温」は妊娠するためだけに測るものではありません。
むしろ、女性が自分の体調を管理し、「不妊の原因がないか」「婦人科系のトラブルが起きていないか」を判断するためにこそ、活用できると言えます。
ただし、「基礎体温」を正しく活用するためには、正しい測り方とその情報を読み取るきちんとした知識が必要です。そこで、基礎体温について、知っておくべきポイントをおさらいしていきましょう。
基礎体温とは、体が熟睡しているときの、内臓の働きがもっとも静かな状態の体温のこと。
それにもっとも近い状態で測れるように、朝起きてすぐ、体を動かさない状態で測定した体温のことを「基礎体温」と位置づけています。
基礎体温の測定には、専用の婦人体温計を利用します。
基礎体温の変化は0.3~0.5℃という微妙な変化を見ていくものですが、3ヵ月くらいつけてみると、自分の体のサイクルがつかめてくるはずです。
不規則な生活をしていると正確な数値が出にくいので、毎日なるべく同じ条件で測ることが望ましいのですが、難しいこともあるでしょう。
多少の条件の違いは気にせず、1日や2日忘れてしまってもそこで中断しないで、「続けること」を優先させてください。
だいたいの体温曲線が判断できれば良しとしましょう。
なるべく正しい数値を出すためには下記のポイントを守ってみてください。
●最低4時間以上の睡眠のあとに測定
●体温計は枕元に準備しておき、寝たままの状態で体温を測る
(体を動かすとすぐに体温が上昇してしまうので)
●測った体温はグラフにして記録に残す。
(前述の「基礎体温表」を利用して、体温の点と点をつないだ折れ線グラフを作成、ホルモンバランスをチェックする判断材料とします)
まずチェックしたいのは、妊娠に不可欠な要素である「排卵」がきちんと起こっているかどうか。
グラフを見て、月経開始から次の月経までの期間が「低温」と「高温」の二つの山に分かれていれば、正常に排卵が起こっていると予測できます。
次に低温期と高温期の日数から、2種類の女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が正常に分泌されているかどうかチェックしましょう。
排卵が起こっていても、女性ホルモンの分泌に問題があれば、妊娠の妨げとなる可能性が出てきます。
自分で行なう体質改善や医師の手を借りて、バランスを整えていく必要があるでしょう。
下記に典型的なパターンのグラフを挙げておくので挙げておくので参考にしてください
○正常なグラフ
低温期: 28日周期の場合、約14日間。月経後の、卵巣からエストロゲンの分泌量が増加している期間。
排卵期: 低温から高温に変わる境目で、一度体温がガクンと下がるが、その前後含めた3日間。ここが妊娠可能期となる。
高温期: 28日周期の場合、約12~14日間。プロゲステロンの分泌が増加している期間。
妊娠しなければ、約2週間後、月経が訪れて再び低温期を迎える。
妊娠していれば、高温期が妊娠20週目まで続く。
×何らかの改善が必要なグラフ
例1 低温、高温に分かれないグラフ
プロゲステロンのバランスが崩れているか、「無排卵月経」の可能性あり。40日以上変化がなかったら、医師に相談を
例2 高温期が短いグラフ
「無排卵月経」もしくは「黄体機能不全」で卵子が未成熟になっている可能性あり。治療が必要なケース。
例3 高温期の中に低温期が混じるグラフ
「黄体機能不全」の可能性あり。医師に相談を
例4 バラバラの体温グラフ
きれいに2相に分かれる人は少ないが、あまりにもバラバラなのは、基礎体温を正しく測れていない可能性あり。
睡眠時間や起床時間が日によって大きく異なったり、睡眠時間が少なすぎたりしませんか?
まずは規則正しい生活を心がけましょう。
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