ここまで、本書では赤ちゃんを授かりやすい体になるために、女性のあなたが努力して改善できることを中心にお話ししてきました。しかし、女性だけがどう頑張ったところで、パートナーとの「セックス」という行為がなければ、赤ちゃんを授かることはできません。
頑張り屋の女性ほど、「今日は、排卵日だから早く帰ってきてね」というように、男性にも協力を求める傾向があるようです。でも、このようなあからさまなアプローチは男性にプレッシャーを与え、かえって「やる気」をそいでしまうこともあるのが現実のようです。
残念ながら、男性は言われたからといって、その気になるとは限らない生き物です。
ここが、セックスにおいては「受け身の性」の女性とは違うところ。
そこを理解してあげてください。
しかし、一方で、ちょっと工夫をすれば男はすぐその気になる単純な生き物でもあります。女性のあなたから上手にリードして、自然な形でセックスへ導くようにしましょう。
その「きっかけ」にできるのが、この項で紹介するペアマッサージです。仕事で疲れて帰ってきたとき、あるいは休日に寝そべってテレビを見ながらリラックスしているとき、パートナーの体にそっと触れてみてください。マッサージは、される側にとっては体が癒されることはもちろん、「相手から大切にされている」と心まで癒される効果が感じられるもの。二人の絆を強くします。
また、気持ちのいいことをしてもらったら、お返しをしたいと思うのが人間の心理です。
さわりっこをしながら、「これって妊娠しやすくなるマッサージなんだって」というふうに会話が弾めば、パートナーも積極的に協力してくれるようになるのではないでしょうか。
「こんなに私が頑張っているのだから、協力してくれて当たり前」という態度を前面に出すよりも、ずっと二人の一体感が得られ、その気持ちが赤ちゃんの誕生を引き寄せるかもしれませんよ。
上半身の緊張をほどき、血行を促進するとともに、相手に体をゆだねる感覚を開花させます。
❶パートナーの肩甲骨と背骨の間を上から下へ、両手のひら全体を使ってスーッと撫で下ろす。 | ❷肩から手首にかけて、同じように手のひら全体を使ってスーッと撫で下ろす。左右の腕を同時に行ないましょう。 |
❸背後から、パートナーの両肩の付け根を力を入れてぎゅっとつかみます。マッサージされる人には、肩の力を完全に抜くように指示してください。そのまま、引っ張れる高さまで引き上げ、パッと手を離しましょう。 |
寝そべった状態でやるので、さらにリラックス効果と相手に身をゆだねる感覚が強くなるマッサージです。
女性にとっては、骨盤内の血行を促進するという、妊娠力アップにダイレクトな効果も期待できます。
カップルでも、お尻に触りあうことはあまりないと思うのですが、なかなか気持ちのいいマッサージです。
❶マッサージされる人はうつ伏せに寝そべり、パートナーはその上にまたがります。肩甲骨と背骨の間を、上から下へ、手のひらの付け根で小さな円を描くようにほぐします。力加減は、マッサージされる人に聞きながら調節してみてください。 | |
❷肩甲骨の上を手のひらで揺らします。 | |
❸お尻全体を、手のひらを使ってゆらしながらほぐします。下半身が冷えて血行が悪いと。お尻が揺れにくいので、しっかりゆらしてコリをとってあげましょう。 | |
❹マッサージされる人の右ひざを外側に曲げ、お尻と太ももの境目を探し当てる。そこに手のひらの付け根を当て、上から下に小さな円を描くようにほぐします。左側のお尻も同じようにマッサージしましょう。 |
女性にとって、お尻は子宮の裏側にあるので、ここをしっかりマッサージすることは「妊娠力」アップにとても良いこと。特に、普段座りっぱなしの仕事をしている人は、お尻を触ると硬く冷たいケースがあるので、もしそうならパートナーにマッサージしてもらう以外でも、自分でもんでみても良いでしょう。
入浴中、お尻と太ももの境目に強めのシャワーで円を描くように当てるのも下半身の冷えとコリをほぐす効果があるので、試してみてください。
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