この章の冒頭で、ウォーキングには骨盤を調整する働きも期待できると言いましたが、この項では、より積極的に骨盤のゆがみを矯正するための方法をご紹介しましょう。
女性に毎月訪れる月経。これには2つのホルモンが関わっていることはすでにご承知かと思いますが、それぞれのホルモンが分泌される時期によって、骨盤も微妙に動いていることをご存知でしょうか?
まず、月経が訪れる直前。この時期には、骨盤がゆるむホルモンが分泌されます。
このホルモンは妊娠すると大量に分泌され、女性の骨盤を開き、赤ちゃんの通り道となる産道をつくる役目を果たしてもくれる重要なもの。
しかし、妊娠前の女性が、このホルモンが分泌される時期に、横座りをしたり、足を組んで座ったりなどの姿勢を頻繁にとると、骨盤がゆがむ原因となってしまうのです。
骨盤がズレると、その中に入っている内臓の位置が動き、子宮や卵巣も本来あるべき場所からズレてしまいます。そうなると、思いがけない場所から圧迫を受けたりして、血流に悪影響が出てくる可能性もあるのです。
このように骨盤を動かすホルモンの影響や、体の構造上、男性よりも骨盤内が複雑に入り組んでいるということから、女性は下半身に血液が滞りやすく、冷えやすいという宿命を負っていると言えます。決して、あなたが特別なのではなく、女性全般が冷えのリスクを持っているということ。
だからこそ、普段の生活の中で、意識的に体を温める習慣を持つことが大切なのです。
さて、自分の骨盤がゆがんでいるかどうかを知るのに、簡単なチェック方法があるので、ご紹介しておきます。ご自宅に、全身を映せる鏡があるなら、入浴前に服を脱いだ状態で、自分なりに背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、ウエストのくびれ位置や肩の高さが左右同じになっているか確認してください。
どちらか一方が高かったり低かったりしていたら、骨盤がゆがんでいる可能性が高いでしょう。
また、仰向けに寝て足の力を抜いたとき、足の開き具合をチェックしてみてください。
これが左右どちらかが外側を向きすぎているようなら、骨盤のゆがみによる可能性があります。
骨盤のゆがみの可能性が見つかったら、それを放置せず、素早く矯正の手段をとりましょう。お金をかけて整体に通わなくても、自宅で骨盤のゆがみを正せる体操があるので、ご紹介します。プロの手を借りて一時的に矯正することができても、普段の間違った生活習慣があれば、あっという間に戻ってしまいます。ならば、自分で調整する方法を知っておくほうが、得策といえるでしょう。
下記の2つの体操をウォーキングと併用しながら、週2~3回程度行なってください。骨盤のゆがみと下半身の冷えが、かなり改善されるはずです。
骨盤がゆがんでいると、骨盤まわりの筋肉のバランスも悪くなっています。
それによってお尻が垂れたり、下腹部がぽっこりしたりといった美容上好ましくない体型となってしまうことも。
「お尻歩き法」で、骨盤の筋肉を整えて、健やかな体と美しいプロポーションを手に入れましょう。
※初めに、目をつぶってお尻歩きをしてみてください。まっすぐ歩いているつもりでも、骨盤のゆがんでいる側に曲がっていくことがわかります。本番では、まっすぐ歩くように意識してやると、骨盤内の筋肉が鍛えられると同時に、骨盤の矯正が行えます。
この体操は、お尻歩き法を1ヵ月程度行なって、骨盤の状態をある程度整えてから実践することで、効果が得られます。1動作1分半を目安に、なるべくゆっくりと「少々きつい!」と感じるくらいの時間で行なうのがコツです。
※前屈するときは、背中とひざを曲げないように、腰を伸ばしたままゆっくり上半身を前に倒しましょう。自然に止まるところで止めてから、再びもとの姿勢に戻ってください。肛門をしめるように意識しながら行なうと、骨盤まわりの筋肉を整える効果が高くなります。
❶足を肩幅に開いて立ちます | ❷そのままの姿勢で、両足を平行にそろえて、ゆっくり前屈した後、戻します。 |
❸今度は、かかとを軸に、両足の親指を外側に向けた状態でゆっくり前屈していき、戻します。 | ❹最後は、両足の親指を内側に向けてくっつけ、八の字に開いた状態で、ゆっくり前屈していき、戻します。 |
❺終わったら、しばらく仰向けになり、ゆっくりと呼吸しましょう。(5分程度) |
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